BTSストーリーの考察!光と影を映す『Black Swan』の謎

BTS

BTSのミュージックビデオには様々な仕掛けがあることで有名です。

 

諸説は様々ありますが、今回は『MAP OF THE SOUL’7』から収録曲「Black Swan」のミュージックビデオの考察をご紹介していきます。

 

この考察の目的は、すべてが完成するとき1つの物語としてBTSのストーリーを皆様に楽しんでいただけるよう、そして7年目の6月13日の記念すべきデビュー日までに完成させてBTSが何を伝えようとしているかをシェアしていくことです。

 

どうぞ皆様の考察の過程の参考材料に使っていただけると幸いです。

『Black Swan』の曲のコンセプトは?

 

まず、『Black Swan』の曲のコンセプトは一体何なのか?

 

根本的に言えることは「Shadowそのもの」であるということです。
これは、制作記者会見の際、J-HOPEが「Black SwanはShadowを表現している」と述べているからです。

 

では、今回のコンセプトである「Shadow」についてこの曲が示すメッセージについて詳しく解釈していきます。

「黒鳥」と「白鳥」が示すメッセージとは

 

では、この曲の題名にもなっている『Black Swan=黒鳥』とそれと対比する『Swan=白鳥』の示すメッセージについて考察していきます。

 

まず『Swan=白鳥』はよく「白鳥のつがいは愛のシンボル」ということで有名です。

 

この曲での位置付けでいうならば『自分の中にある純真無垢な部分』つまり『汚れなき善』ということになります。

一方『Black Swan=黒鳥』というのは、元々黒い白鳥はいないとされていた存在で、無駄な努力をすることを「黒い白鳥(黒鳥)を探すようなものである」と例える言葉に用いられてきました。

 

しかし、1690年代後半にありえないとされてきた黒鳥の存在が発見されたことから、のちに「ありえないと思われていたことが突然起こると、予想されていた場合よりも影響が甚大なものになる」という金融危機や自然災害などの際に用いられる言葉に変化していきました。

 

また、黒鳥は白鳥と正反対の性質を現す言葉にも成りえるため、このメッセージに沿って考える場合、黒鳥は『邪悪なもの』という解釈につながります。

 

【ここまでのまとめ】
・『Black Swan』の曲コンセプトは「Shadowそのもの」を表現している。
・『白鳥』…自分自身の純真無垢な部分、汚れなき善
・『黒鳥』…邪悪な部分→Shadowにつながる

※黒鳥は時に「あり得ないと思われてきたことが起こると、予想されていたよりも大きな影響が出る
→これまでのBTSの人気の高まり方、BTSメンバーの心情に大きな変化があった?

『Black Swan』と映画『ブラック・スワン』の関連性

 

次に、この『Black Swan』という曲名を聞いて派生するものと言えばなんでしょうか?

 

そう、2010年に公開された映画『ブラック・スワン』が浮かんでくる方が多いのではないでしょうか?

映画『ブラック・スワン』新予告編

 

この映画のキャッチコピーは”1人の少女が悪役を演じているうちに、役にのめり込みすぎて狂気の世界に崩壊していくサイコホラー”。

 

【映画のあらすじ】
ニューヨークバレエ団に所属する主人公のニナがライバルのリリーと演目「白鳥の湖」の主役の座争いをし、しのぎを削る際に幻覚を見たり、強迫観念に駆られるようになる。そして、振付師から主役に抜擢され、これまで起こった幻覚や強迫観念に駆られながらも大役を全うし「完璧だった」と言ってのける姿が印象的なストーリー。

 

この映画の中で主軸となるのがバレエの演目「白鳥の湖」なのですが、この演目は「くるみ割り人形」「眠れる森の美女」ともに”バレエ3大名作”といわれるもので、特徴は「白」と「黒」の対比

 

つまり、白鳥と黒鳥の役を1人で踊り分けなければならない、ということです。

 

この映画の大きなテーマは『1つではない”自我”』。

 

無意識のうちに頭の中で起こっていると考えている道理の分からない不合理な表現や描写を並列させている構造の映画の為、見ている人が引き込まれやすくストーリーが終わると不思議な感覚に陥るのがこの映画の特徴です。

 

 

ここまでの説明の中でこれまでのBTSの功績やミュージックビデオの作りを遡っていくとなにかリンクするのでは?という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

【ここまでのまとめ】
・映画『ブラック・スワン』のテーマは”1つではない自我”→EGOやShadow、その他のMVに関連あり
・「白」と「黒」の対比や1人で2役を演じる→J-HOPEの「Black SwanはShadow」コメントに直結する7つの心臓を持った少年(BTS)が自我のバランスを崩して苦しんでいたが結局は「善」と「悪」はどちらも自分自身であり、共存しうるものであり、どちらも「自分自身である=完全な自分」?

『Black Swan』のMVを通じてストーリーを解釈・考察する

【2020年1月17日配信 アートフィルムVer.】

【2020年3月5日配信 公式Ver.】

では、ここまでのコンセプト及び映画『ブラック・スワン』との関連性をすり合わせてたところでミュージックビデオから考察・解釈をしていきます。

 

まずは、アートフィルムVer.と公式Ver.をご視聴いただけると比較がしやすいかと思います。

衣装から見たBTSの《自我》表現

 

では、まずこのミュージックビデオに使用されている衣装の観点から今回のコンセプトが読み取れるのか考察していきます。

 

アートフィルムの衣装は1人は上半身裸(白)で囲む6人は黒いスーツです。

 

これは今までの過程で行くと”1つではない自我=7つの自我”のうち白色は「汚れなき善」であり、その周りを「邪悪」な影の自分を連想させます。

 

※のちに別の考察ページにてご紹介しますが、この上半身裸の男性はジョングクに見立てると仮定します。

そしてBTSのメンバーによる公式Verのミュージックビデオの冒頭はジミン・RM・ジンの3人が白い服の中に黒色を身に着けています。

 

これは、少しずつ明らかになり戸惑う純真無垢だった「善」しか知らなかった部分に「悪」が存在することに気が付いた象徴ではないかと仮定します。

 

※なぜジミン・RM・ジンのみ黒色の服を含んでいるのかは心理学的観点にてご紹介します。

 

このミュージックビデオ中には黒色の衣装のみのカットと黒を含む白色の衣装のカットが混在します。

 

ポイントはステージ上で7人が黒い衣装でダンスするシーンにおいてジンのみ白いスポットライトが当たっている事です。

 

今までのBTSのミュージックビデオに映るキーパーソンはすべてジンが絡んでいます。

後に「LOVE YOURSELF」シリーズや「WINGS」についても考察を載せていきますが、BTSが前進していく上で長男ジンの存在はかなり重要です。

 

そして、先程※印にていくつか注釈を交えていますが、ジンと対照的に考えていかなければいけないのが末っ子ジョングクです。

 

これは、RMが以前読んでいた小説『デミアン』にも関係していきますし、「LOVE YOURSELF」シリーズで公開されたコンセプトフォト、予告イメージにも大きく関わっていきます。

 

※お話が前後していきますのでかなり混乱されるかと思いますが、のちに1つのストーリーとして時系列でまとめていきますのでご了承ください!

心理学から見たBTSの《自我》表現

 

続いて心理学的な観点からみる『Black Swan』ですが、BTSは一貫してこの7人の少年のストーリーをヘルマン・ヘッセ著の『デミアン』という小説になぞらえて話を進めています。

 

この小説のはしがきは以下の部分から始まっています。

 

ー(和訳)
1つ1つの個は全て、自己の目標に向かって努力している。我々は、互いに理解することはできる。しかし、めいめいは自分自身しか解き明かすことはできない。

 

『デミアン』を執筆するにあたって著者のヘルマン・ヘッセが重視したことは「新たな完璧な理想の青年像」です。

 

様々な社会や環境の変化にいとも簡単に崩れ去る自分自身の幸福を前にしたとき、そのような状況に左右されない常に美しい理想的な自分を模索する」という目的の中で執筆したとされています。

 

つまり、これはBTSの状況に置き換えると、2つの側面が考えられると仮定します。

 

まず1つ目は「BTSのメンバー対メンバー」。

 

 

BTS公式Ver.の劇中、ジンが鏡と向き合うシーンがあります。鏡は全部で6面。これはBTSのジン以外のメンバーを示していてそれはそれぞれジンを映しています

 

 

これは1つの心臓を分け合った少年たち(=BTS)と7つの心臓を持った少年(=ジン)がこの音楽活動のすべての始まりがBTSの7人の少年たちの道しるべの地図となっていて、本当の「完全な自分とはなにか」を探す旅の途中にいるということを現していると考えます。

 

そこにはJ-HOPEのコメントどおり「Black SwanはShadow(=影)」を表現するものであり、それぞれの「完全な自分」を知るためには人気になりえた光の部分のみではなくそこに伴う「影」と向き合い、折り合いをつけていかなくてはならない、ということです。

 

もう1つの側面は「BTSのメンバー対ファンや世間の反応」。

 

 

アートフィルムVer.の配信後、2月初旬に配信されたシュガのソロ曲「Intel:Shadow」はまさにメンバー対ファンや世間の反応についてどう向き合っていくのかについて言及した楽曲です。

 

俺の飛躍は墜落に成りうる

 

BTSメンバーは日々自分たちの人気に伴って努力しお互いを理化しながら飛躍の道を歩んできた。それに比例してファンや世間の反応も次第に大きくなっていきます。

 

気づいたらすごく高いところまで来ていて、見下ろすとあんなに影が伸びている。人気を手にする一方で、そこから落ちた時の恐怖は計り知れない。

 

いつ崩れ去るかわからない幸福が不幸になりえることをBTSは知っていて、それでも毅然と光を浴びている自分も世間には分からない自分たち自身の感情もどちらも「本当の自分」であり、そこを受け入れていくんだ、というメッセージになるのではないでしょうか?

 

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MV中のジミン・RM・ジンの衣装の謎

 

ミュージックビデオ内で白い衣装を着用しているBTSですが、その中でもジミン・RM・ジンの3人は黒い服を下に着用しています。

 

これをどう捉えるべきか。

 

 

まずは、『デミアン』の中で登場する人物に当てはめる必要があるのですが、『デミアン』については別記事にてすり合わせを行います。

 

 

まずRMは『デミアン=主人公の理想の少年像』という設定。そしてジミンは役自体はありませんがこの物語の性質上『罪悪・主人公が最初についた嘘』、最後にジンは『アブラクシスサックス(鳥の神)』と位置付けられます。

 

 

つまり、RMは「善と悪が共存し、それを受け入れた完璧な自分」の象徴であり、ジミンは「善しか知らなかった無垢な自分にポツンと生じる黒い悪」の象徴。そしてジンは「全員の自我を共有し善と悪を内包・管理する」象徴なのです。

 

だから劇中RMの個人カットの部分のみ白い衣装と黒い衣装のカットが交互にくる構成で、ジミンには罪悪を象徴する黒い翼が生えているシーンがあり、ジンは鏡を見つめ6つの鏡に映るそのほかの自分とのシーンがあるのではないでしょうか。

 

※ただ、「WINGS」のVの翼姿も謎なのでVがキーパーソンの説もあります。

【ここまでのまとめ】
小説『デミアン』の役柄に7人全員を当てはめることができる。 

RM:デミアン→「善と悪が共存し、それを受け入れた完璧な自分
ジミン:罪悪・最初についた嘘→「善しか知らなかった無垢な自分にポツンと生じる黒い悪
ジン:アブラクシスサックス→「全員の自我を共有し善と悪を内包・管理

 BTSが『Black Swan』の中で伝えようとしている事は何か

 

『Black Swan』においてNAVERにてこのような記事が掲載されています。

 

昨年発売されたアルバム『MAP OF THE SOUL:PERSONA』が自分の本当の姿を見つけるための旅の出発点として、防弾少年団は、「Black Swan」で自分の深い内面と向き合いアーティストとして隠れた影と向き合う

音楽をすればするほど、これ以上音楽が私に大きな感動や高揚を与えないのではという恐怖を経験するが、心の中で深く、自分の中のブラックスワン(Black Swan)=Shadow”影”と向き合った瞬間、自分には音楽しかないと逆説的に悟る

そして、音楽が自分に何を意味するのか、本当に知ったアーティストとしての告白を成熟し自伝的な歌詞を披露する。

アートフィルムVer.で公開された映像は、「Black Swan」のモチーフになった舞踊家マーサ・グラハム(Martha Graham)の名言で始まる。7人のダンサーが曲の情緒を現代舞踊に再解釈したパフォーマンスを見せ、グローバルアーティストとして防弾少年団の独歩的な存在感を倍加させる。

特に非現実的な空間を背景に、苦難と逆境を乗り越えて誕生した黒鳥(Black Swan)を連想させる独創的な振り付けと感覚的な映像美が目を圧倒する。

引用:NAVERニュース

 

 

ここでいうマーサ・グラハムの言葉はアートフィルムVer.の冒頭に出てくるメッセージであり、BTSの一番伝えたい事である可能性が強いです。

 

ー(和訳)
ダンサーは2度死ぬ。1つ目の死は、踊ることをやめたとき。
そしてそれは、何物にも代えがたい苦痛である。 

 

つまりこの言葉の真意は、「BTSが音楽をすればする程、これ以上音楽が自分自身に大きな感動や高揚を与えなければ死んだも同然だ」というところにあるに相違ないと考えます。

 

 

それは7年間の芸能活動とこれまでの功績、そしてそこに伴った7人の少年の人生がすべて”音楽”に集約されている。

 

「人気になる一方で、自分たちにはこれしかなくて、ここで情熱をなくすなら死んだも同然だ」という自分の影の部分と向き合った結果の曲ではないでしょうか?
これはジョングクも自身のタトゥーに彫った言葉RATHER BE DEAD THAN  COOLも類似しています。

 

 

ここまで来るのには一旦「LOVE YOURSELF」シリーズを読み解く必要が出てきます。なぜならば「LOVE YOURSELF=あなた自身を愛す」つまり、”自我”を受け入れるところに答えがあるからです。

BTSストーリーの考察!光と影を映す『Black Swan』の謎 まとめ

 

『Black Swan』から辿るBTSストーリーの考察についてご紹介していきましたが、いかがだったでしょうか?

 

今回の考察の中でお伝えしたことを簡単にまとめます。

 

【『Black Swan』の考察まとめ】
・『Black Swan』の曲コンセプトは「Shadowそのもの」を表現している。
・「あり得ないと思われてきたことが起こると、予想されていたよりも大きな影響が出る
音楽をすればするほど、これ以上音楽が私に大きな感動や高揚を与えないのではという恐怖を経験する
・音楽が自分たちにとって何を意味するのか、本当に知ったアーティストとしての告白を自伝的な歌詞
をのせて披露した曲

 

今回のアルバム『MAP OF THE SOUL’7’』は今までのアルバムに続くことはもちろん、時運たちが辿ってきた光とそこに潜む歌手としての苦しみなどの影について心理学的な意味も込めて発表されたのだと解釈しています。

 

世界的アイドルとして歴史に名を遺すほどの地位を確立したBTS。

 

彼らの物語の終着点は一体どこにあるのでしょうか。

 

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